マンチェスター・シティってどんなクラブ??~イングランドフットボール界の革命家集団~
今回はマンチェスター・シティについて解説していきます!
1.設立
マンチェスター・シティの前身はもともと、マンチェスターにある教会が青年たちの非行を防止するために1880年に設立されたセント・マークスというチームでした。
その後の1894年、他のチーム(ウエスト・ゴートン)と合併した後に、現在のクラブ名、マンチェスター・シティが誕生します。
その後、クラブは一時期は強豪として名を連ねるものの、1930年代を最後に長い間、タイトルからは遠ざかっていきます。
暗黒時代が長く続き、隣ではマンチェスター・ユナイテッドが、世界的なクラブになっていく様をみとどけていくままに、2000年を迎えることになります。
マンチェスター・ユナイテッドが世界的なクラブである一方で、マンチェスター・シティがより地元に根付いた真のマンチェスターの市民クラブと長らく言われていました。(現在となっては、どちらも世界的なクラブですね)
2.マンチェスター・シティの基本情報
ホームスタジアムはエティハド・スタジアムです。ちなみにこれはエティハド航空という会社が命名権の契約をしてついた名前(アーセナルのエミレーツ・スタジアムも同じ仕組みです)で、実際の名前は、シティ・オブ・マンチェスター・スタジアムです。
エティハド・スタジアムは2003年から使われているスタジアムで非常に新しいことが分かりますね!
それまでのスタジアムはメインロードという名前でマンチェスター・シティが約80年に渡って使用していたスタジアムです!
エンブレムは2016-2017シーズンから過去にインスピレーションを求めた結果、現在では見慣れた円型のエンブレムです!ちなみにどの歴代エンブレムにも描かれている船のマークはマンチェスターが交易で栄えた都市だということを象徴しています。
3.マンチェスター・シティが変わった2007年
シェイク・マンスールが2008年、投資会社アブダビ・ユナイテッド・グループ(ADUG)を設立してマンチェスター・シティを買収に動きます。
ADUGは推定2億1000万ポンド(約402億2000万円)でシティを買収し、シェイク・マンスールがクラブのオーナーに。ちなみにシェイク・マンスールさんはUAE(アラブ首長国連邦)の副首長も務めています。
この出来事によって、マンチェスター・シティというクラブが一瞬にして世界で最もお金持ちのクラブの仲間入りを果たします。
その後の積極的な補強や設備の投資は言うまでもないでしょう。
一方でFFP(クラブとして稼いだ金額しか移籍金に投資できない)に抵触した疑惑も問題になりましたが、補強した選手は現在のシティに栄光をもたらしたと言えます。
- 長くチームを支えたコンパニ(所属期間 2008-2019)
- プレミアリーグ屈指の司令塔だったダビド・シルバ(2010-2020)
- 伝説を数多く作り出したアグエロ(2011-2021)
- 現代MFとして必要なものをすべて備えるミスター・パーフェクト、デ・ブライネ(2015-)
このように2008年以降は象徴的な選手が数多く存在しており、革命がおこったといっても過言ではないでしょう。
数々の伝説の試合がありましたが、シチズン(マンチェスター・シティのサポーターの愛称)の心に永遠に刻まれているのは2011-2012シーズンのプレミアリーグ最終節の大逆転優勝の試合だと思います。
最終節のQPR戦は勝てば得失点差でシティの優勝がほぼ決まる状況(勝ち点ではマンチェスター・ユナイテッドと同じだった)でしたが、後半途中で相手が1人少なくなったにもかかわらず、勝てばプレミア残留が決まるQPRの前に2点を奪われ、1-2で逆転を許してしまいます。
しかしアディショナルタイムに入り、まずジェコのヘディングシュートで同点とし、最後はアグエロのシュートが決まり、3-2の逆転勝利で劇的な44シーズンぶりのリーグ制覇を果たします。このバロテッリからアグエロにパスが回って劇的なゴールになった三点目は印象深いと思います。
4.グアルディオラと伝説の勝ち点100
チームとしての伸び悩みがあったなかで、2016-2017シーズンからグアルディオラ監督が就任して指揮を執っていきます。
中でも驚異的だったのが2017-2018シーズンのプレミアリーグで史上初の勝ち点100また、史上最多得点106を記録してその高いポゼッションを誇る緻密なフットボールが称賛されました。
5.マンチェスター・シティのこれから
プレミアリーグ歴代最高額の1億ポンド(約152億円)で獲得したグリーリッシュを加えて今シーズンもグアルディオラ監督の下で攻撃的なフットボールを期待したいですね!
一方で長年チームを支えたアグエロが退団したことでクラブとしてはネガティブなニュースですが、成長した若手に今年もリーグ戦、そして、CLのリベンジをするべく躍進を続けていくことを期待してマンチェスター・シティのサッカーを楽しみましょう!
チェルシーってどんなクラブ??~100年かけて掴んだ強豪の称号~
今回は"ブルーズ”の愛称で親しまれているチェルシーFCについて解説していこうと思います!
1.設立
設立するきっかけは、1905年3月10日、ガス・ミアーズとジョセフ・ミアーズの兄弟がフラムFCに対して購入したスタジアム(スタンフォード・ブリッジ)を本拠地にすることを打診するも、拒否されたことにあります。
ミアーズ兄弟はスタンフォード・ブリッジを本拠地とするクラブが必要になりました。そこで二人が独自でチェルシーFCを設立しました。
設立後は一時的に成績をのこしたものの、(1919-1920シーズンリーグ3位など)その後は2部に降格して、長い間低迷していきました。
2.チェルシー基本情報
ホームスタジアムは前述のミアーズ兄弟が購入した以来、変わらずのスタンフォード・ブリッジです。100年以上にも渡り、クラブと歴史を共に歩んだスタジアムですが、非常に現代的なスタジアムです!
1990年代にスタンフォード・ブリッジの整備やスタジアムを中心とした再開発が行われたことがあり、高級ホテルやショッピングセンター、レストラン、さらには大型のグッズショップもあり、複合型のスポーツ施設となっています!
チェルシーのエンブレムは今となってはお馴染みですが、2005-2006シーズンにチームの設立100周年を記念して変更された比較的新しいエンブレムです。
チェルシーは富裕層からの支持が多いクラブです。というのも、スタンフォード・ブリッジがある近辺は、高級住宅地になっていることがその理由です。
3.2000年以降のチェルシー
2003年に現オーナーのアブラモビッチが就任したことで積極的に移籍が行われ、クラブは大きな躍進をしていくことになります。
選手はもちろん、チェルシーに2004年に監督として就任した"Special One”、ジョゼ・モウリーニョの影響も大きいでしょう。
ここには一流の選手と、そして僭越ながら、一流の監督がいる。横柄な男と呼ばないでほしい。私がしゃべっているのは事実なのだから。私は欧州チャンピオンだ。(昨シーズンにポルトでチャンピオンズリーグ優勝)ほかの有象無象の連中とは違う。私は自分を特別な男(スペシャル・ワン)だと思っている。
__________ジョゼ・モウリーニョ(着任した際の会見での名言)
彼が就任してすぐの2004-2005シーズンにいきなり55年ぶりのリーグ優勝、この優勝はクラブ設立100周年の節目に獲得できた、記念すべきタイトルと言えます。
また、勝ち点95、失点15は衝撃的な数字で、当時は勝ち点が80点でも優勝できる時代でした。(伝説のインビシブルズ、2003-2004のアーセナルの勝ち点ですら90点、失点26)
当時のプレミアリーグはマンチェスターユナイテッドかアーセナルの2強時代だった所に一石を投じた、ある種の革命的なチームだったチェルシー。今でも色あせない伝説の選手たちが多数在籍していました。
チェルシーレジェンドのドログバ、両足を自在に操るグジョンセン、弾丸ミドルが代名詞のランパード、闘志のあるプレーとプレミア屈指の空中戦の猛者のジョン・テリー、安定感でプレミア歴代最高のキーパーともいわれるチェフなど挙げたらきりがないです。
4.他クラブとの関係
他のクラブとの関係ですが、激しい対立をしているようなクラブはチェルシーにはあまりありません。
前述の歴史から、フラムFCからはかなり嫌われているようですが、実力の差がとても大きいのでチェルシーのサポーターはあまり対抗意識をもっていません。
2000年初頭は優勝争いをしていて同じロンドンに本拠地を置くアーセナルをライバル視していましたが、近年ではアーセナルよりも成績や歴史的にトッテナムをライバル視しつつもあるようです。
ただ両者(アーセナル対トッテナム)は、ノースロンドンをまたいだ熾烈な争いをしており、お互いが大嫌い同士であり、最大のライバル同士でもある2チームなのでそこと比べると因縁は深くないかもしれません。
また、ライバルという訳ではないですが、なぜかCL(チャンピオンズリーグ)では頻繁にバルセロナと当たりました(ある意味因縁)。しかも、その試合のほとんどが名勝負と言えるものでした。
2004-2005の点の取り合いと試合を決めたテリーのヘディング。2006-2007のロナウジーニョのゴール。2008-2009のエッシェンの先制ゴールとイニエスタのアウェイゴール。2011-2012のテリー退場、ラミレスのアウェイゴール、トーレスの独走ゴール。
CLで様々な歴史が生まれた2クラブの試合はこのように伝説的で劇的なものが多いです!
5.現在とこれから
2020-2021シーズンには2012-2013シーズン以来9年ぶり2度目のCL優勝を果たしました。欧州王者として挑む今後のシーズンはBIG6を筆頭につわものばかりですが、その強敵を跳ね除けるべく策略を練るトゥヘル監督、ストライカーとして帰ってきたルカク、圧倒的な運動量でCL優勝に貢献したカンテ、経験を生かしたディフェンスで魅せるチアゴ・シウヴァをはじめ、チームの穴を探す方が難しい盤石な体制で臨んでいますね。
今後も優勝争いができるような、チェルシーのサッカーに期待しましょう!